環境省からメッセージ
「カーボン・オフセット」、なかなか耳慣れない言葉とお思いの方も多いかもしれません。
しかし、実はこのカーボン・オフセット、なかなかにスグレモノなのです。
21世紀の企業、行政、市民にとって、地球温暖化を止めるべくCO2などの温室効果ガスの排出を削減することは、最も重要な課題の一つです。
地球温暖化問題は、早期に対応しないと、そう遠くないうちに人間、企業の存立基盤である自然環境が取り返しがつかないほど損なわれてしまう事態になりかねません。
しかし、企業の成長や社会経済の発展と相容れないことが少なくないため、具体的な対処が困難であるのが実状です。
カーボン・オフセットは、この矛盾を解決する有用な手段の一つです。
すなわち、カーボン・オフセットに取り組むことにより、温室効果ガスの排出を削減することができるだけなく、企業・商品価値の向上、行政の発信力・信頼性の向上、そして一人一人のより豊かな暮らしの実現につなげていくことが可能なのです。
カーボン・オフセットの第一段階として、まずどこでどの程度の量温室効果ガスを排出しているかを計算します。
温室効果ガスの量が多いというは、エネルギー等の資源使用量が多い、すなわちコストが発生しているということになります。
温室効果ガスの排出を削減することにより、未利用エネルギーの有効利用、エネルギー等の資源コストの削減を達成することが可能なのです。
削減が困難な温室効果ガス排出量をオフセットする(埋め合わせる)際には、「クレジット」を用います。
クレジットとは、簡単に言うと温室効果ガスの排出削減・吸収量です。
このクレジットにはいくつかの種類がありますが、J-VER(ジェイバー)、京都クレジット等は、設備更新、間伐等を行った際に生じる温室効果ガスの排出削減・吸収量を、第三者機関による認証により保証したものです。
このJ-VER等のクレジットは、単位や標記は温室効果ガスの削減・吸収量を保証したものにしか見えないのですが、実際はそれ以外にも多くの付加価値を生み出しています。
有限である化石資源の使用量削減、社員や市民への環境教育の機会の提供、多様な動植物のすみかの創出、森林の保水機能の強化・・・
オフセットするということは、同時に社会に対して多様な付加価値を提供することにもなります。
この点に着目すれば、
「商品の製造・使用に伴うCO2排出量をオフセットする」
「オフィスビルの電力使用に伴うCO2排出量をオフセットする」
「自動車利用に伴うCO2排出量をオフセットする」ということは、
温室効果ガスの積極的な削減に加え、オフセットに用いるJ-VER等のクレジットのもたらす多様な付加価値も活用して商品・サービス・企業のブランド価値を高めたり、地球に負荷をかけない豊かな暮らしを実現することにもなるのです。
地球温暖化問題は、すでに我々の社会が直面する大きく困難な課題です。
このことは、今では子どもからお年寄りまであらゆる世代の人が知っています。
環境省が展開するカーボン・オフセット制度、これは、この困難な課題に対し地球と人間がwin-winの関係になる解決策をもたらす仕組みなのです。
中部カーボン・オフセット推進ネットワークは、皆さんにこの仕組みを理解し利用していただくお手伝いをする組織です。
どうぞ積極的にご利用いただけたらと思います。
中部カーボン・オフセット推進ネットワークは平成23年度環境省委託事業として、環境省中部地方環境事務所及び環境省中部環境パートナーシップオフィス(EPO中部)協力のもと立ち上がりました。
平成27年度以降は、自主的に活動を続けております。
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