カーボン・オフセットとは?
カーボンオフセットについて
カーボン・オフセットとは、自分の温室効果ガス排出量のうち、どうしても削減できない量の全部又は一部を他の場所での排出削減・吸収量でオフセット(埋め合わせ)することを言います。
カーボン・オフセット 事例集
下記より各企業・団体のカーボンオフセット事例(PDF形式)がご覧いただけます。
1.地球温暖化の基礎知識
①温室効果とは
地球は太陽によって暖められ宇宙に向けて熱が放射されます。
大気中のCO2などの温室効果ガスがこの熱を吸収し、再び地表にもどし地球の表面を暖めます。 これを温室効果といいます。
温室効果が無い場合の地球の表面の温度は-19℃といわれていますが、温室効果のおかげで地球上は平均14℃と適度な環境に保たれています。 逆に大気中の温室効果ガスが増えると温室効果が強まり、地球の表面の気温が高くなります。 |
②地球温暖化のプロセス
大気中の成分でもっとも温室効果の大きいのは水蒸気と二酸化炭素です。
産業革命以降、化石燃料の大量消費や宅地農耕地の拡大による森林伐採などが原因で二酸化炭素は年を追って増大しつつあり、そのための温室効果によって地球温暖化が起こります。
③温室効果ガスの種類
温室効果ガスとは、大気を構成する気体のうち、太陽からのエネルギーをうけて赤外線を再放出する気体です。
温室効果ガスにはさまざまな種類があり、二酸化炭素をはじめとして、地球温暖化への影響が大きいものに、メタン、一酸化炭素、フロン、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、6フッ化硫黄などがあります。
このうち、フロンを除いた6種類が京都議定書で削減の対象となっています。
温暖化係数とは、二酸化炭素を基準にして、他の温室効果ガスの温暖化への寄与度を示した値の事であり、例えばメタン1トンは、二酸化炭素では21トンと同じだけの温室効果があるということを表しています。
【温室効果ガスの種類/温暖化係数/主な用途、排出権】
- 二酸化炭素(CO2)/1/化石燃料の燃焼、セメントの製造
- メタン(CH4)/21/消化器官の発酵、水田、廃棄物の埋立
- 一酸化二窒素(N2O)/310/窒素肥料の使用、燃料の燃焼、家畜の排泄物
- ハイドロフルオロカーボン(HFCs)/数百〜数万/ 冷蔵庫エアコンなどの冷媒、エアゾール
- パーフルオロカーボン(PFCs)/数百〜数万/半導体製造工程、溶剤
- 六フッ化硫黄(SF6)/23,900/半導体製造工程、電気の絶縁体
※出典:IPCC第四次評価報告書データ
2.カーボン・オフセットとは何か?
①カーボンオフセットの仕組み
直接的な取組によって削減できないCO2(カーボン)を、森林吸収源を守る植林やクリーンエネルギーなどの事業に投資することなどにより、排出した分を相殺(オフセット)する仕組みのことです。
- 日常生活や企業活動の中でさまざまな形でCO2を排出しています。
- その排出量を見える化し、CO2を減らす努力をします。
- それでも減らすことができないCO2排出量については、他の場所で実現されたCO2吸収量や削減量(クレジット)を支援します。
- 減らすことができないCO2排出量を、クレジットで埋め合せ・相殺(オフセット)します。
これをカーボン・オフセットと呼びます。
②クレジットの2つのタイプ(ベースライン&クレジット、キャップ&トレード)
クレジットには、一般に温室効果ガス削減プロジェクトから創出された「削減量」と、キャップ&トレード制度から発生する「余剰枠」の2種類があります。
<ベースライン&クレジット>
温室効果ガスの削減対策を実施しなかった場合の排出量(ベースライン)と削減対策を実施した後の排出量の差をクレジットとするものです。
国連が認証するCDM(Clean Development Mechanism)制度、日本国政府が認証する国内クレジット制度、民間企業が独自で認証するVER(Verified Emission Reduction)等があります。
<キャップ&トレード>
それぞれの排出者(国や企業など)に排出の上限枠(キャップ)を割り当て、その排出者の排出実績が排出枠を下回った分をクレジットとして取引(トレード)することができます。
3.カーボンオフセットの進め方
【 ステップ① 知る → ステップ② 減らす → ステップ③ オフセットする 】
<ステップ1 知る:排出量の算定>
自らが排出している温暖化効果ガスの排出量を把握します。
日々の活動にどれくらいの電気や燃料がつかわれているのか、どれくらい温室効果ガスを排出しているのかを知る必要があります。
実際にカーボン・オフセットを行う場合には、活動範囲をきめて算定をして排出量を計算して求めます。
- 手法:「LCA・CFP」
製品は、その原料採取から製造、廃棄に至るまでのライフサイクルの全ての段階において様々な環境への負荷を発生させています。
ライフサイクル評価(Life Cycle Assessment:LCA)とは、これらの環境への負荷をライフサイクル全体に渡って、科学的、定量的、客観的に評価する手法で、その活用により環境負荷の低減を図ることができます。
また、ライフサイクル評価は、モノである「製品」以外に、「サービス」や、「製造プロセス」「廃棄物処理プロセス」等のシステムも対象となります。
製品のライフサイクル全般にわたって排出されるCO2量をLCAの評価手法を用いて評価算出表示させる仕組みを「カーボンフットプリント CFP」といい、「CO2の見える化」の具体例として政府が推進をすることが提示されました。
<ステップ2 減らす:排出削減努力>
温室効果ガスの排出量がわかったら、どこから排出を減らせるかを考えて減らせる取り組みを実施します。
<例>
公共交通機関を使用する、冷暖房の設定、こまめな消灯・電源OFF 設備の入れ替え(省エネタイプ、小環境負荷タイプなど)などがあります。
<ステップ3 埋合せる:オフセットする>
身の回りの削減努力をしても、どうしても排出される温室効果ガスについては、ほかの地域や国で削減されたクレジットを購入して
温室効果ガスをオフセットすることができます。
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